病院システム近代化計画Q&A その1

ちょっとのんびりしてしまいました。
タイトルは「Q&A」となってますが、正確に表現するならば「コメント返答集」とするべきでしょう。Q&Aとしてるのは単にタイトルがあまり長いのもどうなんだろう?という気持ちからきています。Q&Aなんて書くと「知識豊富な俺様が本当のことを教えてやるぜ」みたいな感じに偉そうなのでちょっといやです。そのへんは常に対等な大人の関係でありたいと思っています。


http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20070516/1179323176#c1179418395
Med_Lawさん
>残念ながら、医療の仕事のなんたるかを理解していない駄文でございますな
このシリーズはそもそもこういった脊髄反射的な枕詞がどういった思考回路から生み出されるのだろうかと分析したところから始まっています。自分の言ってる言葉をじっくり聞いてもらいたい人はこのような枕詞を使うのは控えたほうがよいでしょう。


>患者数に応じた医師数を手当てしない限りなんら解決にはならない。
医師数を増やさずに診療できる患者数を増やすための解決案を示しました。


>それにしても5時間待ちで5分ということは、その患者の受付段階で60人の待ち人ですか?3時間待ちの3分というのが、通説でしたが、創作ですか?
創作じゃなくてうろ覚えでした。シリーズの冒頭で述べましたが、僕はこの文言の間違いは認めますが、謝罪するほどの間違いではないと思いますので訂正せずに放置します。


>医師に文句を言う前に
待ち時間が不正確であることに対する患者の文句は実は「医療を行う人」に対してではなく「病院の管理者」に向けられています。現状ではこれらが同一人物であることが多いため、医者も患者も混乱してしまっています。この混乱を解決するためには現場労働と管理の切り分けを明確にしたほうがよいでしょう。


>病院へのアクセス制限が答えになるだろう
医療保険の点数配分とかの資料を持っていないために、このシリーズではアクセス制限の話にはほとんど触れていません。多分僕がこの問題を書いても的を外しがちの議論しかできないと思います。




http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20070516/1179323176#c1179449328
NATROMさん
>外来診療についてはスケールメリットはほとんどないように、現場の人間には思えるのです。
現状の主治医制度ではスケールメリットは出しにくいです。
一応、現状でも検査室で検体検査を集中して行うなどのスケールメリットは多少は発揮されています。しかしどうやっても診察時間がボトルネックになってしまうでしょう。これを打破するためには主治医制度を改めるしかありません。シリーズで述べたように主治医制度にも利点や必要性があります。主治医制度を改革するときにはこれらの利点を大きく損ねないような形を模索しなければなりません。シリーズ中でその利点の分析とそれを損ねない形の改革案を示しています。


>「その病院内だけで通じるコード」がどういうものかは分かんないのですが、
実は僕も分かりません。カルテをじっくり見たこともないし、医者でもないですから。なのでわざとぼかして書きました。
で、シリーズを書いている途中にいろいろと考えたのですが、「電子カルテ医師」は撤回したほうがいいかなと思っています。ボトルネック部分である診療医師の負担を減らしたかったのですが、二度手間によって全体の作業量が増えてしまいそうだからです。その分を診療医師の頭数を増やすほうに使ったほうが効率がよさそうです。
ただし僕が超高給取りの医者だった場合は電子カルテ医師の導入を経営サイドに要求するでしょう。なぜなら僕はこういった報告書の類を効率よく書く能力に欠けているからです。でも世間一般の人々は僕よりも報告書の作成能力が高いようなので、こういった一般論では電子カルテ医師は非効率になってしまいそうです。




http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20070516/1179323176#c1179466051
地下に眠るMさん
厚生経済学の分野でほぼ結論はでてるよ。
僕も常識的な感覚を持った人には国民会医療保険制度が日本の平均寿命を伸ばしていることは証明されていると思っています。しかしこの調査にはいくつかの(アクロバティックな)難癖をつける余地が残っています。「日本人の遺伝的な体質のおかげではないか?」「私が統計をこねくり回してみたら違う結論が出た」などの牽強付会な反論を封じ込められる実験は実施困難だと感じています。経済学のような社会学をしているとそのような難癖にいつも困っています。


>自分たちが恵まれているにもかかわらず、洗脳されて不満を募らせ、自分たちの命を守ってきた制度や人間を非難し崩壊させようとしているというのが多くの人のしていることだ。
洗脳されている人はどうしようもないのですが、洗脳している人は多分高所得者なんじゃないかと思います。高所得者にとっては低所得者の健康を維持するために割高な負担を強いられている現状が納得いかないでしょう。
ただし現在の医療のような規制産業はどうしても効率を上げるための技術革新が滞りがちになるので、規制を撤廃するべきだという意見にも一分の理が存在します。結局のところどこかの妥協点に決着を図るべき問題であり、その議論のたたき台としては崩壊に至るだろう過激な意見も必要になります。




http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20070528/1180350469#c1180402271
拝見しましたさん
>患者はその振り分け役からカルテをもらい指定の診察室に入るようなモデルが考えられる
拝見しましたさんが書かれているように、紙のカルテ(Karte:紙 ドイツ語)では受け渡しミスなどのリスクが発生します。明言はしていませんが、僕はここでは電子カルテが導入されている病院だけを考えています。電子カルテというIT技術の革新が、病院が効率のよいシステムを作るための必要条件になっていると思います。逆に言うと20年前の病院ではここで僕が書いているような改革案など絵に描いた餅に過ぎなかったわけです。


トリアージ医師とはいえ1人1分で診ても、1時間に60人しかさばけませんよね。
前日からの予約患者はある時間帯に集中して来院するわけではないのでトリアージ医師の前にはそれほど長い行列ができるとは思っていません。実際にどれだけの行列になるかは僕には資料不足で推測できませんが。


>つまり、最低でも効率化した分が7人の医師を6人に減らした分を越えなければならない。
拝見しましたさんのコメントの内容をいろいろと考えてみた結果が、「トリアージ医師は直接的に病院の効率を上げることには寄与していない」です。「その11」で詳述しましたが、病院を効率化するにあたって切り捨てられやすいノーブレス・オブリージュトリアージ医師は担当することになります。逆に言うとトリアージ医師がいてくれるから、病院の他部門は心置きなく効率化を進めることができるのです。




http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20070528/1180350469#c1181055643
引用さん
うーん?日本語で書いてくれるとありがたいです。




タイトルは「その1」ですが「その2」があるかどうかは分かりません。