2007-01-01から1年間の記事一覧

高速道路無料化反対

今回も常識にチャレンジです。 高速道路無料化に反対です。woodさんが無料化反対という意見は信じられないと言ってるのですが、僕はどっちかというと無料化のほうが無邪気すぎると感じています。タダより高いものはないのです。 ちょっと長くなって読みづら…

食料自給率って上げなきゃならないの?

こちらで生徒(?)が落第したので模範答案を作成しました。 日本の食料自給率は低い。1億人もの人口を抱える巨大国家としては異例なほどに低い。それに関しては誰も異論を唱えたりしないだろう。しかし「安全保障のために食料自給率を100%に近づけるべ…

病院システム近代化計画Q&A その7

「更新の頻度が極端に落ちます」と宣言していたのですが、ここまで間を空けてしまうつもりではありませんでした。更新頻度が落ちる原因の一つは解消したのですが、まだ完全には片付いていません。当面、ひきつづき更新頻度が落ちることを予告しておきます。 …

病院システム近代化計画Q&A その6

すいません。少しやる気を喪失していたのとPCの調子が悪いのが重なってゆっくりになってしまいました。また、やる気とPC以外の個人的理由によって今後(数ヶ月程度?)更新頻度が大きく落ちると思いますので気長にお付き合いください。 まずは「Q&Aそ…

病院システム近代化計画Q&A その5

>「インフォームドコンセント医師の仕事は極端に簡単」というのは、何をどう言っていいのかわからないほど間違っています。診療医師と同じかそれ以上の技量が必要です。 きっとここが議論の大きなターニングポイントになります。 この議論は経済学では労働…

病院システム近代化計画Q&A その4

前回のエントリーに関しては内容に関して双方が合意できなければ議論の意味がないと書きましたが、今回は逆に偶然以外の理由では合意できるわけがない内容になっています。その理由は僕が医療現場に関する知識がないことです。そしてNATROMさんも程度の違い…

病院システム近代化計画Q&A その3

前回、途中で根性が切れて変なところで中断してしまいました。「Q&Aその2」の改革は現場と一緒にやっていこうという話の続きです。 さて、改革を現場と一緒にやっていこうと言っても、現場は誰と一緒にやればいいのかを僕はまだ明示していませんでした。…

病院システム近代化計画Q&A その2

NATROMさんのコメントへの返答です。 返答がかなり長くなっていますが、「読む気をなくさせる大量の文章を提示して煙に巻く」を意図しているわけではありません。長くなるのは以下の3つの理由によるものです。 1.共通の知識的基盤が小さい 2.簡潔に説明…

病院システム近代化計画Q&A その1

ちょっとのんびりしてしまいました。 タイトルは「Q&A」となってますが、正確に表現するならば「コメント返答集」とするべきでしょう。Q&Aとしてるのは単にタイトルがあまり長いのもどうなんだろう?という気持ちからきています。Q&Aなんて書くと「…

病院システム近代化計画目次

シリーズ終了後に目次をつけるのはなんだか変な気分ですが、分かりやすいように目次を作成しておきます。 このシリーズはもともと病院での待ち時間の表示があまりにも不親切だというネタが発端です。それの解説だけを見たい方は「その6」「その7」へ飛んで…

病院システム近代化計画 その11

前近代の保護 我々は近代社会を生きているが、それでも我々のすべては前近代的なものを完全に排除して生きていけるわけではない。それぞれの職業にはそれぞれの職業に特有の名誉があり、ノーブレス・オブリージュがある。 僕はこのシリーズにおいて医者に近…

病院システム近代化計画 その10

二桁いっちゃいました。このままいくと病院システムの専門家になってしまいそうです。 ホウレンソウを減らせ*1 水平にしろ垂直にしろ分業のボトルネックは常にコミュニケーションにある。一つの仕事を複数の人間で行うために、何をしているか、どれだけ進ん…

病院システム近代化計画 その9

顧客満足度向上計画 「ちょっとお願いが...」 「はい、担当者に代わりますね」 担当者制度を厳格に適用するとこのようなやり取りが増える。その場で相談した人に対応してもらうことに比べると顧客満足は低下する。客は「的確に対応してもらい結果的に早く解…

病院システム近代化計画 その8

ここからは理想論です。法律上実施困難なことも書きます。 法律上無理なことを要求するということは法律を変えるべきだという提言でもあります。しかし法律を変えると非常に複雑な問題が発生します。法律は基本的には必要だから国会で審議されて作り出されま…

病院システム近代化計画 その7

どこまで続くんだよ。勘弁してくれよ。と泣き言を言いたいのですが、佳境に入ってきました。もう引き返せません。「毒を食らわば皿まで」です。 しかしこの状態は「読む気をなくさせる大量の文章を提示して煙に巻く」戦術になりつつあります。少々不誠実な態…

病院システム近代化計画 その6

最初にすごく馬鹿っぽい告白をします。昨日までのその1からその5を読まなくても、今日のエントリーだけ読めば*1とりあえず待ち時間に関する問題のひとつの解決方法はつかめます。はっきり言ってたいしたことないです。 しかし僕は今日のエントリーを書くた…

病院システム近代化計画 その5

「病院の待ち時間を減らすために」で僕は医者をトリアージ医師・診療医師・電子カルテ医師・インフォームドコンセント医師に分業させることを提言した。これらの医師がABCD4の5種類の患者にどのように対処していくかの業務フローを見たいきたいと思う。…

病院システム近代化計画 その4

何度も書いているがこれは経済学です。いや、すでに経営学の世界に入りつつあるのかも。僕は経済学部経営学科を卒業してるからどちらも専門家ですが、経済学と経営学をどこで切り分ければいいかよく分かりません。しかしこの話が医学ではないことはほぼ確か…

病院システム近代化計画 その3

前近代の後に近代が来た 医者という共同体は確かに不思議な進化形態を持っている。その形態の一部は古きよき時代を現代に伝えるものであるが、残念ながら現代の道徳基準では悪と認定されるような性質も有している。これはひとえに医者に限った現象ではない。…

病院システム近代化計画 その2

名誉があればご飯3杯はいけるね 医者がその労働の対価として名誉を要求していることは前回に述べた。 僕は報酬として名誉を求める医者を高慢だと非難しない。名誉を欲することは人間として普通の欲望だし、僕も少なからず名誉が欲しいと感じている。そして…

病院システム近代化計画 その1

前書きとしての科学的態度 タイトルには少々の嫌味を混じらせていますが、僕の目から見ると病院のシステムは前近代的に見えます。しかし断言はできません。僕には医者ではないし、医者の知り合いすらいません。数年ほど仕事で病院相手の営業をしていた経験し…

病院の待ち時間を減らしてみよう

少し前に病院勤務医のNATROMさんを少し批判してしまいました。 NATROMさんはなぜ待ち時間が長いのかの説明はできましたが、待ち時間を減らすための具体的で効率的な提案はできませんでした。NATROMさんにマネージャーとしての視点が備わってなかったことが原…

科学の漸近線 その3

3部作でした。今回で終了。 分割して統治させろ 科学は世界をシミュレートすることを目的としている。現在の世界を理論というブラックボックス(関数)に入力すると未来の世界が予言されることが究極の目標だ。逆に現在の世界を逆関数に入力すると過去の世…

科学の漸近線 その2

飛び石戦略 社会科学(そして自然科学の大部分)が複雑性の問題や道徳上の問題から、科学的真理への直接アプローチが現実的でないことは示した。だから我々は科学的思考などの間接アプローチでもって科学的真理へと近づかなければならない。その一つの方法が…

科学の漸近線 その1

前回に引き続いて科学的な態度に関しての話です。最初はここでのコメントに対する反論を書いていたのですが、あまりにも長くなりすぎたのでこちらに書きます。 今回は一応まともなことを書いているつもりなのですが、少々前衛的なので多分いろんな人に怒られ…

科学的思考

ちょっと他人の論争に口を挟んでみました。 どっちにしろどっかで科学的思考について書かなきゃならんと思ってたのでネタにさせていただきます。 池田氏*1が愛国心の進化というエントリーで聞きかじりの知識をちょっと得意げに披露したのをNATROMさんが目ざ…

娯楽直接知財 その4

娯楽直接知財の再受信 後編 再受信時の効用逓減 娯楽直接知財の多くは完全な形で蓄積することが困難なために、受信と同時に効用を利用するしかない。不完全な形でなら蓄積は可能だろうが、そのように蓄積された娯楽直接知財の効用は大きく低下してしまう。そ…

娯楽直接知財 その3

娯楽直接知財の再受信 前編 娯楽直接知財は何度受信しても効用を発揮する 一番身近な例は音楽CDだろう。もし一度受信しただけで満足するのならば、わざわざ高いお金を出してCDを買う必要などない。ラジオで一度聞けば十分だからだ。しかし実際は多くの人…

娯楽直接知財 その2

効用の発生源 「宝くじが当たりました」という情報は娯楽直接知財なのだろうか。 小説の一文にこの言葉があったときと、実際に当選していて売り場の窓口で聞いたときの喜びには大きな違いがあるだろう。そして前者では言葉そのものに効用を感じたのだが、後…

娯楽直接知財 その1

娯楽直接知財の大きな特徴は情報の受信の目的にある。トリガー直接知財、ノウハウ直接知財の受信目的は受信者の行動の判断に使用することであったが、娯楽直接知財は受信だけが目的となる。別の言い方をすれば、他の二つの直接知財は受信後の行動によって受…