第四次産業

娯楽直接知財 その4

娯楽直接知財の再受信 後編 再受信時の効用逓減 娯楽直接知財の多くは完全な形で蓄積することが困難なために、受信と同時に効用を利用するしかない。不完全な形でなら蓄積は可能だろうが、そのように蓄積された娯楽直接知財の効用は大きく低下してしまう。そ…

娯楽直接知財 その3

娯楽直接知財の再受信 前編 娯楽直接知財は何度受信しても効用を発揮する 一番身近な例は音楽CDだろう。もし一度受信しただけで満足するのならば、わざわざ高いお金を出してCDを買う必要などない。ラジオで一度聞けば十分だからだ。しかし実際は多くの人…

娯楽直接知財 その2

効用の発生源 「宝くじが当たりました」という情報は娯楽直接知財なのだろうか。 小説の一文にこの言葉があったときと、実際に当選していて売り場の窓口で聞いたときの喜びには大きな違いがあるだろう。そして前者では言葉そのものに効用を感じたのだが、後…

娯楽直接知財 その1

娯楽直接知財の大きな特徴は情報の受信の目的にある。トリガー直接知財、ノウハウ直接知財の受信目的は受信者の行動の判断に使用することであったが、娯楽直接知財は受信だけが目的となる。別の言い方をすれば、他の二つの直接知財は受信後の行動によって受…

ノウハウ直接知財 与太理論の流通 その3

与太理論駆逐共同体 今日の日本では「ネット世論」というものが形成されており、これらの一部は与太理論駆逐共同体として機能している。機能はおおまかに分けて三つになる。「与太理論そのものの論破」「与太理論発信者の与信情報の発信」「与太理論に代わる…

ノウハウ直接知財 与太理論の流通 その2

与太理論を発信する動機 トリガー直接知財での発信を目的とした情報取引については「受信者に発信者が意図した行動をとらせる」「受信者に情報を蓄積させる」「発信したと言う事実を残す」という目的で行われている。そしてノウハウ直接知財においては「受信…

ノウハウ直接知財 与太理論の流通 その1

このシリーズの内容の半分は愚痴である。 世の中にはうんざりするほどガセネタが流通している。これらのガセネタのうちのいくつかは発信者の能力不足によって運悪くガセネタしか作成できなかったというものだ。例えば19世紀の大科学者であるニュートンはニ…

共同体とノウハウ直接知財 その2

ノウハウ直接知財作成用の情報を収集する 受信者がどのようなノウハウ直接知財を欲しているかを知らなければ適切なノウハウ直接知財の生産は難しい。これを知らなければ基礎学問や抽象論、一般論としてのノウハウ直接知財しか作れない。しかしほとんどの場合…

共同体とノウハウ直接知財 その1

共同体内でのノウハウ直接知財の流通には二種類がある。すでに存在するノウハウ直接知財の取引と、ノウハウ直接知財の生産を依頼して生産されたものを取引するものだ。そして後者には生産を依頼したが結局生産に失敗して取引が成立しないものも含まれる。こ…

ノウハウ直接知財 直接直接知財と間接直接知財

これはもちろん一般的な傾向に過ぎないのだが、トリガー直接知財は直接直接知財で流通されることが多く、娯楽直接知財は間接直接知財で流通されることが多く、ノウハウ直接知財の流通形態はその中間である。 ただし、これらの傾向を導き出す母数には直接直接…

直接直接知財と間接直接知財 その2

ノウハウ直接知財のこの先の説明をするためには、直接知財の流通形態、つまり直接直接知財と間接直接知財のより深い説明をしておかなければならない。 本来、以前にこの分野の説明をしたときにこの項も説明するべきであった。しかし今になってようやくこの項…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その6

取引の無効化 ノウハウ直接知財もトリガー直接知財と同じく、情報財としての特徴、つまり取引の無効化が不完全にしかできないという性質を持っている。しかし、この特徴はトリガー直接知財の場合とは微妙に発現機序が違っている。 まず最初にノウハウ直接知…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その5

同じ情報を陳腐化させずに大量に発信できる ここまで述べてきた理由によりノウハウ直接知財の受信コストが大きいことを理解してもらえたと思う。そしてこの高コストにより表題の「同じ情報を陳腐化させずに大量に発信できる」という特徴が浮かび上がってくる…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その4

インタラクティブな取引が効果的である ノウハウ直接知財の取引の目的は、そのノウハウを利用するために受信者の主体内に間接知財を生成することにある。「1+1=2」という単純なノウハウ直接知財ならば、直接知財のままで主体内に蓄積することは可能だが…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その3

受信コストが比較的大きい 「聞くだけはタダ」「知らないより知っているほうがトク」という常識は妄言に過ぎない。情報を聞くこと、情報を理解すること、情報を記憶し続けること、それぞれに心的・肉体的なコストが発生する。もちろん発信者に情報の対価を支…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その2

情報取引と効用の発生の時間が大きく違う ノウハウ直接知財による効用 「効用とは何ぞや?」という話を始めると最終的には不可知論になりかねない。他人の心の内面は完璧に知ることはできないし、自分の心の内面だってたいていの場合は正確には分からないも…

ノウハウ直接知財 ノウハウ直接知財の取引 その1

ノウハウ直接知財も情報であり、トリガー直接知財で説明をしたものと同じ情報取引に関するルールが適用される。いくつかの部分ではノウハウ直接知財に特有のルールが適用されることもあるが、それらも本質的には情報取引の基本ルールの応用に過ぎない。ここ…

ノウハウ直接知財

やったー!新章突入だ! 極端な言い方をすれば、ノウハウ直接知財は「蓄積されることを主目的としたトリガー直接知財」だ。また、蓄積されるだけが目的で行動のトリガーになることを想定していないノウハウ直接知財は娯楽直接知財と言ってもいい。結局、直接…

トリガー直接知財 信用醸成 その12

発信受信能力の強化 実はこの項は書きたくなかった。ここまでは誰でもが実現可能な、もしくは誰にでも実現可能にするためのマニュアルだったのだが、今回はできない人間には絶対にできないことを書くからだ。 「情報の発信能力や受信能力を高めることにより…

トリガー直接知財 信用醸成 その11

「罠の回避の話は次回です」と書いておきながら、その話の前提となる共同体の説明が長くなったので、結局次々回になってしまった。 共同体を用いた信用醸成の罠の回避 「共同体は協同作業によって利益を追求する」 この性質を利用することにより「常識では推…

トリガー直接知財 信用醸成 その10

信用醸成の罠 ここまで述べた信用醸成の手段を駆使すると大きな陥穽にはまり込むことになる。このような方法で(そして僕がまだ気づいていない方法であろうと)マニュアルを作ると、確実にその穴にはまる。しかしこのマニュアルを無視するともっと大きくて深…

トリガー直接知財 信用醸成 その9

低信用醸成度での取引 その2 ・複数の相手から情報を受信する 耳を疑うような情報を知らされたとき、多くの人はその情報が真実であるとすぐに信じることはできない。また耳を疑うほどではない情報も、常日頃嘘をついている人の口から出たものならば、やはり…

トリガー直接知財 信用醸成 その8

低信用醸成度での取引 その1 ここまで信用醸成を高める努力とその必要性について論じてきたが、どのような場合にも信用醸成が成功するわけでもないし、そのための時間が用意されてない場合もある。そのときには信用醸成が低くても実行できる取引の手段を考…

トリガー直接知財 信用醸成 その7

信用醸成の手順 その3 ・いくつかの裏切りは見逃してやる 少しでも裏切りを行った相手と、少しでも信用できないと感じた相手との取引を拒絶することは、長期的に見ると自分に不利益をもたらす場合が多い。 十回の取引で一回くらい裏切られたからといって、…

トリガー直接知財 信用醸成 その6

信用醸成の手順 その2 ・事前に時間やコストを支払う 取引には、取引の成否に関らず支払わなければならないコストがある。 商談をするための時間、交通費、電話代。商談が進むと商品のサンプルを要求したり、そのサンプルの評価をするための手間が必要だ。…

トリガー直接知財 信用醸成 その5

信用醸成の手順 その1 ・信用していないことを理解させ、信用されていないことを確認する 実は自分が相手に信用されていないことが信用を醸成させることに有利に働いている。直感的には逆に信用されていればこそ信じることができるのだと考えてしまうだろう…

トリガー直接知財 信用醸成 その4

利益こそが信用の鍵だ 何度も言ってることで恐縮なのだが、ドーキンス博士の「利己的な遺伝子」は名著である。今の僕があるのもこの本に出会えたからと言っても過言ではない。そして、この本の中にこの問題に関する一つの答えがある。本来なら本文を引用する…

トリガー直接知財 信用醸成 その3

相手が信用醸成の必要性に気がついていない 信用できない相手を信用するためには信用醸成を行わなければならない。しかし信用醸成という概念自体を知らなければ効率的な信用醸成を行うことは難しい。信用醸成を行わずに情報取引を強行するから裏切られる。裏…

トリガー直接知財 信用醸成 その2

価格が定かでないために相手を信用できない ある財においてある程度合理的に説明のつく価格があるのならば、相手の提示する価格を受け入れることで、それ以外の面で信用できない相手とも取引を行うことができる。しかし情報の持つ価格は、原価面そして効用面…

トリガー直接知財 信用醸成 その1

発信者と受信者の間で互いを信用しあう関係を作り出すことを「信用構築」と命名するのが普通かもしれない。しかしあえて「信用醸成」と命名したことには理由がある。 じょうせい(ヂャウ‥)【醸成】 1 =じょうぞう(醸造)1 2 雰囲気(ふんいき)や気分をかも…